相続させる場合

遺言執行者を誰にするか

ご自分が亡くなられた後の争いを予防するため、「遺言書を用意した方がいい場合」をご紹介しましたが、遺言書を作成する際、遺言執行者を定めておくことをお勧めします。遺言執行者とは、遺言者に代わって遺言者の最終意思を実現することを職務とするものです。遺言書の内容を早期に実現させるためには、遺言執行者を定めておくべきです。

ただ、遺言執行者には、報酬を受け取ることもできますが、任務を開始する義務、報告義務、財産目録の作成・交付義務等様々な義務を負います。これらの義務に違反したため、相続人から、損害賠償請求をされ、賠償を命じられた事案もあります。

遺言執行者は、このようなリスクもあるので、何らかの形で、法律専門家が、遺言執行者に関与することが望ましいと言えます。具体的には、①法律専門家を遺言執行者とする方法、②相続人等を遺言執行者にし、その相続人には事前に遺言執行者に指定していること、遺言執行者として職務を行う場合には、法律専門家に相談することを伝えておく方法、が考えられます。

なお、法律専門家が遺言執行者となったり、相談に応じる料金は、金融機関が遺言執行者となっている場合よりも、多くの場合、法律専門家の方が報酬は安いと言えます。これまでの経験で、金融機関が遺言執行者になっている遺言を拝見することが相当ありますが、どれも、旧弁護士会の報酬規程よりも、高い報酬が定められている遺言でした。

ご参考にしていただけると幸いです。