相続する場合

使途不明金の解決方法

亡くなられた方の死亡前後において,亡くなられた方の預金口座から多額の払戻しが行われており,預金を管理していた相続人が、その使途を明確に説明できない場合があります。

経験上、この問題を遺産分割協議で解決しようとするのはほぼ無理です。預金を管理していた相続人が明確な説明ができない以上、他の相続人が納得するはずがなく、他方、預金を管理していた相続人も、説明ができない金額を遺産に戻すことは通常しないからです。それにもかかわらず、遺産分割調停で解決できると期待して、時間を費やしても、結局、遺産分割で解決できず、遺産分割調停の取下げを促され、訴訟を提起することになります。結局、遺産分割調停に費やした時間は無駄な時間になってしまいます(もっとも、手元に資料がない場合には、遺産分割調停をして、預金を管理したいた相続人に資料を提出させる戦法もあります。特に、調停だと、代理人をつけないで対応してくることが多いので、思わぬ資料を提出してくれ、それが訴訟で役立つ場合もあります。)。
また、理論的には、亡くなった後の払戻は、遺産ではないため、遺産分割の対象にならず、亡くなる前の払戻は、損害賠償、不当利得で相続開始と同時に各相続人が分割して取得する性質のものとされていることから、遺産分割の対象にならないのです。


使途不明金に関する訴訟では、①誰が払戻しをしたか,②被相続人の意思で行われたものかどうか,③払戻金を誰が管哩したか,④被相続人以 外の者の払戻しや管理であれば,これが被相続人の意思に基づくものかどうか,⑤払戻金の使途が適正かどうか,が争点になってきます。
これらが争点になることはほぼ明らかであり、これら争点に関する資料の保存年限が意外と短期間であったりすることもあるので、訴訟提起前から、資料を収集しておく必要があります。